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川柳入門講座川柳入門講座

江戸時代から現代まで親しまれ続けている「川柳」。この「川柳入門講座」では、川柳の歴史や俳句との違い、さらには川柳の作り方までお教えします。川柳を詠んだことがない人も川柳コンテストで入賞したい人も、川柳の奥深さを学んで素敵な川柳を詠んでみましょう!

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川柳とは

川柳とは

「川柳」とは5・7・5の17音で詠まれる日本生まれの定型詩です。

近年は自作の川柳を募集する一般公募のコンテストなども開催され、世間にも広く知られるようになりました。「せんりゅう」という漢字の読み方が分からない人も、昔に比べると随分減ったのではないでしょうか?

とは言え、言葉としては認知されていても、まだまだ詳しくは知られていない川柳。このページでは川柳のあれこれについてお話します。

川柳の歴史

川柳の歴史1

川柳は江戸時代中期に誕生しました。いったい、どのようにして誕生したのでしょうか?その歴史を見ていこうと思います。

日本には古くから5・7・5・7・7の31音で詠まれる「和歌」という文化がありました。川柳の起源を振り返ると、この和歌に行き着きます。

鎌倉時代に入ると、今までは一人の人間が詠んできた和歌を、上の句(5・7・5)と下の句(7・7)に分け、それぞれ別の人間が詠むという試みが起こりました。上の句を受けて別の人が下の句を詠む。その下の句を受けてさらに別の人が次の上の句を詠む。多くの人たちが次々と詠み継いでいくうちに個人では生まれない発想が生まれ、それが大きな魅力となったこの文芸は「連歌(れんが)」と呼ばれました。和歌に比べると言葉遊びの側面が強かった連歌は江戸時代中期にかけて和歌を凌ぐ程の人気となり、広く人々に浸透します。

川柳の歴史2

やがて人々は連歌にユーモアやアイロニーを盛り込み始め、連歌はさらに庶民にとって親しみやすい文芸へと変化。このユーモアやアイロニーを含んだ連歌のことを特に「俳諧連歌(はいかいれんが)」と言い、遊びの要素が強くなった俳諧連歌に人々はさらに夢中になりました。

するとその中で、本来の連歌のルールとはまた違った遊び方をする人も出てきます。それが、お題として下の句を決め、それに誰がうまく上の句を付けられるかを競い合う「付け句(つけく)」。付け句は競技性・遊戯性の高い新しい文芸でした。参加者は点者(参加者の作品に評価を付け、優劣を決める人)によって評価され、優秀な作品は句集に掲載されることも出てきます。1765年に刊行された誹風柳多留(はいふうやなぎだる)は付け句の興行である万句合の中で、お題の下の句を除いても分かりやすい優秀な句を集めた句集で、人々の間で人気を博しました。

掲載する句を選んだ点者の名前は柄井川柳(からいせんりゅう)。やがて付け句から下の句を除いても意味の通るものを、その点者の名前から川柳と呼ぶようになります。このようにして川柳は日本に誕生しました。

俳句とはどう違う?

俳句とはどう違う?

どちらも5・7・5の17音で表現される川柳と俳句。なんとなくは分かっていても、厳密な違いとなると分かる人は少ないのかもしれません。ここでは知られていそうで知られていない川柳と俳句の違いについてご説明します。

季語の必要性

川柳と俳句の最も大きな違いと言えばこれでしょう。

「季語(きご)」とは特定の季節を示すような言葉を指します。俳句には季語を入れなければなりませんが、川柳にはその必要がありません。

俳句と川柳では、その背景から扱うテーマも違ってきました。主に自然にまつわることを題材として取り上げてきた俳句に対し、テーマに制約のない川柳では、人間模様や社会に対する風刺など、日常にある様々な場面が詠まれているのです。

言葉の選び方

川柳と俳句では言葉の選び方も違います。

一般的に川柳では私たちが日常的に話すような言葉が使われ、俳句では本に書いてあるような言葉が使われるのですが、これを「話し言葉(口語)」「書き言葉(文語)」と言い、言葉に対する私たちの距離も、川柳と俳句の親しみやすさを分けるポイントになっているかもしれません。

また、俳句には「や」「かな」「けり」といった切れ字と呼ばれる表現もよく使われます。これは句の中にリズムや余韻を作り出すテクニックで、現代語で書かれている川柳ではあまり使われません。

このように、言葉の選び方にも川柳と俳句の違いを見ることができるのです。

起源に見る違い

起源に見る違い

川柳も俳句ももとを辿れば和歌に行き着きます。前述の通り、下の句にお題を設定し、それに合わせて上の句を詠んだことから川柳は生まれました。

一方で俳句は、連歌の中でも下の句を必要とせず、単独でも鑑賞できる発句(ほっく:前の句を受けて次の句を詠んでいく連歌においてスタートとなる一番初めの上の句)に起源を持ちます。連歌の時代にもこの発句において季語の存在は重要視されており、川柳に季語が要らず、俳句には季語が必要とされることはここに由来してるのです。

川柳の作り方

川柳の作り方

誰しもが、眠っている時間以外はいつも何かを考えたり、思ったりしています。人は五感によって外の世界を感じ、それを頭にインプットしながら生きているからです。

朝、目覚まし時計が鳴って目を覚まし、眠たいなぁと思ったり、窓の外の雲ひとつない青空を見て、気持ち良いなぁと感じたり、普段意識していないような些細なことだったとしても、何も考えず思わず1日を過ごすことはあり得ません。眠っていても夢を見て何かを感じることは少なくないはずです。

川柳イラスト1

そんな日常の何気ない一コマを5・7・5に合わせて17音にすれば川柳が一句詠めてしまいます。難しく考え過ぎず、今感じたことを5・7・5に当てはめる。川柳の作り方は意外な程シンプルなのです。

川柳の基本

ここでは、川柳の基本について解説します。

川柳は主に「形」「言葉遣い」「リズム」の3つから成り立っているものです。

川柳の基本

5・7・5の17音、これが川柳の基本の形となります。これ以外に形について気を付けることはありません。規定の音数より多くなってしまう「字余り」、逆に少なくなってしまう「字足らず」、句と句にまたがってひとつの言葉を置いてしまう「句またがり」なども川柳では認められています。

言葉遣い

日常の話し言葉で表現する。

川柳は話し言葉で表現するものです。普段話している言葉で良いのです。なぜ話し言葉が良いのでしょうか?

それは川柳が日常の一コマを発信する文芸だからです。日常を発信するからにはリアリティを持って相手に伝える必要があります。そのとき、書き言葉であったり、時代にそぐわない言葉を使っていたりしたらどうなるでしょうか?

せっかく良いテーマで川柳を詠んでいても伝わりにくくなってしまいます。どんな人にでも分かってもらうために、日常の話し言葉で表現することが重要なのです。


感覚的に分かる、分かりやすい言葉を選ぶ
感覚的に分かる、分かりやすい言葉を選ぶ

@にも通じる内容ですが、やはり川柳にとって重要なのは人に伝わること。頭を巡らせないと理解できないような言葉で書いてしまっては伝わりにくくなってしまいます。

簡単な表現、明瞭な表現で、感覚的に分かる言葉を選びましょう。一般的でない表現や、まわりくどい表現は避けたほうが人に伝わりやすいと言えます。

リズム(韻律:いんりつ)

17音のリズムは絶対欠かせないもの

川柳が持っている17音のリズムは、川柳の作品において絶対に欠かせないものです。美しい川柳を詠むためにはいつもこのことを胸に置いておく必要があります。

川柳では破調(はちょう:規定の音数を外れること)が許されているとは言っても、基本は5・7・5の17音で表現することを忘れずに創作しましょう。

リズムが守られているものは誰にでも覚えやすく、人を引き付ける効果もあります。幼い頃に遊んだ百人一首やかるたなどの文句を大人になっても覚えているのは、リズムが付いているからに他なりません。


5・7・5のリズムは日本の短詩型(たんしけい)文芸の命

この5・7・5のリズムは、起源である和歌の頃からある日本古来のリズムです。

このリズムは日本の短詩型文芸(和歌・連歌・俳句・川柳など)とは切っても切り離せません。短詩型の文芸が長い歳月を経て、今の時代に伝わっていることを考えると、いかにこのリズムが重要であるか分かって頂けるかと思います。

世界的にもリズムの重要性は認識されており、約3,000年前に生まれた古代ギリシャの叙情詩(じょじょうし)であるイーリアスなどは、詩に韻律が付いていたからこそ歴史に長く残ったと言われているのです。

伝統的な川柳の三要素とは?

伝統的な川柳の三要素とは?

古来より、川柳の素晴らしい作品には特有の三要素があるとされてきました。特に江戸時代の伝統的な川柳(古川柳)にはそれが顕著に見られると言われており、良い川柳が持つ共通の条件として今に伝わっています。

その要素とは、「うがち」「軽み(かるみ)」「おかしみ」と呼ばれる三要素。最近ではそれだけにこだわるといった傾向も薄れてきましたが、私たちが川柳に感じる面白みはここに通じているのかもしれません。ここでは、伝統的な川柳における三位一体の要素について解説します。

うがち

「うがち」というのは正面からでは見えにくい物を、横や斜め、はたまた後ろからといった具合に様々な視点で捉えることを言います。現代の日本でも「うがった視点」というような言葉の使い方を聞いたことがありませんか?

普通とは違った視点で題材を見すえることで、本来見落とされているような物事の本質を突く。これは揶揄や風刺を含む川柳の表現においてとても重要な特性です。


軽み

「軽み」は、川柳の中身というより方法論にかかわる要素。必要以上の説明や、エッセンスの盛り込みすぎは、17音という限られた中で表現する川柳の余韻や余白をなくしてしまいます。

どのような内容でもさらりと詠むことで、後ろにある広がりや奥行きを感じることができ、川柳ではその遊び部分を楽しむことに重きを置いてきました。工夫が集約されるこの「軽み」にこそ技術や経験の差が出るのかもしれません。


おかしみ
おかしみ

「おかしい」と言うと現代では笑えるとか面白おかしいというようなイメージを持たれがちですが、この「おかしみ」はどちらかと言えば古文に見る「をかし」のニュアンスに近いのかもしれません。

滑稽だとか興味深いというような、ゆっくり伝わるユーモアです。洒落や俗な言葉を使っての瞬発的に起こる笑いは、本来川柳の美学にはありません。

川柳のコツ

川柳のコツ

良い川柳を詠むためには、主にふたつ必要なことがあります。

ひとつは川柳の知識を深め、技術的に向上すること、もうひとつはテーマをピックアップしたり、掘り下げたりする力を付けることです。このふたつは良い川柳を詠むためにどちらも欠かすことができません。

例えば、素晴らしいテーマを見つけ、それについて川柳を詠もうとしたとき、川柳の知識や技術を持ち合わせていなければ十分に表現することができませんし、またそれとは逆に、表現するにあたって十分な知識や技術があっても、月並みなテーマしかピックアップできなければ、それもまた良い作品は生まれにくいでしょう。

川柳イラスト2

どちらもが同じくらい重要であることは分かって頂けると思います。ではその能力を伸ばすためにどのようなことをするべきなのでしょうか?
ここでは良い川柳を詠むために必要なふたつの要素について、具体的に取り組めることを挙げていきます。

知識を深め、技術を高めるために

知識を深め、技術を高めるために

知識についてはここまでにも述べたような川柳の歴史や成り立ち、他の文芸との違いを理解することで、より川柳らしい作品になると言えます。日常の一コマにユーモアやアイロニーを交え、社会を風刺するといった川柳ならではの背景が、より良い表現をするためのヒントになるのかもしれません。

また、技術的なことでは散文(さんぶん:小説、エッセイなど音数や文字数にとらわれずに書かれた文章のこと)にも通ずるような表現技法が川柳にも存在します。「句案十体」と呼ばれるこの川柳の表現技法には文字通り10のパターンがあり、そのすべてが良い川柳を詠むための技術として有用です。すべてマスターし、適宜使い分けることができれば、これまでとは比べ物にならない程あなたの川柳は良いものになるでしょう。この句案十体についてはのちの項で詳しく触れます。

より良いテーマで川柳を詠むために

より良いテーマで川柳を詠むために

日常の何気ない一コマを詠むという意味では、決して敷居の高い文芸ではない川柳。しかし、誰にでも容易に取り組めるがゆえの難しさがあります。それがこのテーマのピックアップ。

眠りから起きて、与えられた役割をこなし、また眠りに就く、といった生活のルーチンは誰であってもほとんど差がありません。その中でより良い川柳を詠むためには、着眼点や掘り下げ方が重要になってきます。たとえ同じテーマで川柳を詠むとしても、この着眼点や掘り下げ方の良し悪しで作品の価値は大きく離れたものになってしまうのです。

ではより良いテーマで川柳を詠むために、どんなことができるでしょうか?まずはできるだけ新鮮で面白みのある題材に目を向けることです。やはり素材が良ければ、同じように料理しても完成形に差が出ます。これはあらゆることに共通する真理なのではないでしょうか。

とは言え、なかなか思うような題材が見つからないこともあるでしょう。その場合は掘り下げ方でオリジナリティを出します。題材探しにも同じことが言えますが、誰にでも気付けることには面白みを見出しにくいものです。

例えば、歴史的な事実を述べたり、起きていることをただ説明するだけであったり、そういった川柳は誰でも詠むことができます。自分の視点や考えといった独自のフィルターを通して、自分だからこそ詠める内容を詠むのが、より価値のある作品を生み出す秘訣と言えるのではないでしょうか。何気ないテーマから連想できる言葉を書き出してみるのも面白いかもしれません。このときにもオリジナリティを意識するのがポイントです。

川柳の表現技法、句案十体とは?

川柳の表現技法、句案十体とは?

句案十体とは、水谷緑亭(みずたにりょくてい)が定めた川柳における表現技法の基本10パターンのこと。当時の言葉では「正体」「反復」「比喩」「半比」「虚実」「隠語」「見立」「隠題」「本末」「字響」の10種類とされています。ここではその10種類を現代の言葉に置き換えて解説していますので、順番に見てみましょう。

対置法

異なったふたつの事象を並列に置き、同じ動詞や形容詞などで受けることで、ふたつの事象の印象を際立たせる表現技法です。

「一人だと と野菜が 不足する」

本来同じカテゴリに属さない「愛」と「野菜」を「不足する」という言葉で受けることで強く印象付けています。


遠近法

現在の出来事をよりはっきりさせるために、過去や未来の出来事を持ち出し、直接表現しなくても現在の状況を示すようにする表現技法です。

「幼き日 百まで数え 耐えたお湯」

小さい頃は百を数えるまで出られず忍耐だった温泉。過去の出来事を持ち出すことで、今は成長し、温泉は忍耐という印象じゃなくなったという意味が含まれています。


反転法

作者が言いたいこととは逆の視点に焦点をあてることで、本当に言いたいことが逆のことであるとイメージさせる表現技法です。

「狭くなる 年々俺の 領土権」

家での自分のスペースが狭くなることに焦点をあてていますが、狭くなるということは誰かのスペースが広くなるということで、こちらが本当に言いたいことであると読者にイメージさせています。


喚起(かんき)法

実際に言いたいことは直接表現せず、別のある一例を取り上げることで実際に言いたい部分を呼び起こす表現技法です。

「夢リスト 残りはひとつ マイホーム」

最後のひとつに残された夢リストのマイホームを例に挙げることで、他の夢とは違うマイホームのハードルの高さを表現しています。


寓意(ぐうい)法
寓意(ぐうい)法

ある事柄を直接表現せず、例えを使ってほのめかすことで暗示していく表現技法です。

「右左 ハンドル効かぬ ドライバー」

ゴルフを運転になぞらえることで、ドライバーショットがあちこちに行ってしまうことを暗示しています。


虚実(きょじつ)法

真実ではないことでも真実らしく表現することで、その事柄を風刺する表現技法です。誇張表現のひとつと考えることもできます。

「デパ地下で 増税分を 試食する」

今までもしていただろう試食の値段をあえて増税分と表現することで、増税した社会を風刺しています。


転義(てんぎ)法

比喩(例え)のこと。「〜のよう」といった直接的な表現を使う直喩(ちょくゆ)と、例えであることを明示しない隠喩(いんゆ)があります。散文においても比喩のうまさで作家の文章能力が分かると言われる程重要な表現であると同時に、誰でも簡単にできる表現技法なので、無味乾燥にならないよう工夫しましょう。

「リフォームで ローンまでもが 二階建て」

家を建てたときのローンが残っているにもかかわらず、リフォームをしてさらに増えたローンを、家になぞらえて二階建てと表現しています。


パロディ

一般的によく知られている事象を背景にすえ、それと対比することで作品の世界を風刺・揶揄していく表現技法です。

「だんごより お花愛でてる 振りをする」

花より団子ということわざを下敷きに、自分はそうじゃないと見栄を張る様子が表現されています。


カリカチュア

表現したい部分をより際立たせるために、比喩や誇張で印象づける表現技法です。風刺的な意味合いもより強く、言わばアイコン的にモチーフを取り上げます。

「人の倍 打って料金 同じとは」

人の倍とやや誇張とも取れる表現を使うことで、そのスコアを揶揄するニュアンスを際立たせています。


リアリズム

これまでのどれにも該当しない、ありのままを表現する表現技法です。意識せずともなってしまうことも多いだけに、表現にしっかりとした奥行きがないと印象的にはなりません。ある意味で使いこなすのが一番難しいとも言えます。

「言い訳を 考えながら ティーショット」

ゴルフでの一場面をありのまま描いていますが、その中に見え隠れする作者の想いが作品に奥行きを与えています。

川柳の文字の数え方

川柳の文字の数え方

川柳は5・7・5の17音で詠まれる定型詩であることは他の項で説明しました。ここで注目して欲しいのは、「17文字」ではなく「17音」となっていることです。

音とはどういうものなのでしょう。リズムが極めて重要とされる川柳をはじめとした日本の短詩型文芸では、この音と文字の違いを正しく理解しておく必要があります。ここを蔑ろにしてしまうと自信を持って発表した作品が凡作と評価されてしまうことにもなりかねません。ここでは川柳の文字数の数え方についてお話していきます。

モーラという考え方

「音って音節のことでしょ?」周囲の人にそう教わったり、「音」という文字から音節を連想し、そう思い込んでしまったりする人も少なくないと思いますが、実はこれは間違いなのです。音節とも勘違いされやすい「音」とはいったいどういうものなのでしょうか?

川柳における、ひいては日本の短詩型文芸における音とは、モーラの考え方そのものです。5・7・5の17音はそのまま5・7・5の17モーラと言い換えることができます。音節とは似ているようで違うこのモーラ、ここでは例として「ペット(pet)」という言葉で考えてみましょう。

音節とモーラ

音節とモーラ

「ペット(pet)」という言葉を日本語として読むとき、言語音上は「ペ・ッ・ト」と3つに区切って読んでいると思います。これが英語になるとどうでしょう。

英語では「pet」と一度に読み切ってしまい、間違っても日本語のように「p・e・t」と3つに区切って読むことはありません。音節とモーラの違いはここにあります。

日本語は世界でも珍しいモーラをベースに話される言語だと言われており、音節をベースに話される英語などとは異なった感覚を持って今に至りました。海外の人にとって日本語が世界一難しい言語だと言われるのは、ベースにしている考え方が違う上に、モーラがあまり馴染みのない考え方であることが理由だと言われています。

料理

ひらがなで表すと「り・ょ・う・り」の4文字ですが、日本語で4音として発音することはまずありません。「り」と「ょ」は「りょ」として一度に発音されるので、料理は3音(3モーラ)として扱います。

このように拗音(ようおん)と呼ばれる「ゃ」「ゅ」「ょ」「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」などの文字はそれだけで1音とせず、直前の文字と合わせて1音と扱うのが一般的です。


最近

「ん」のことを日本語では撥音(はつおん)と呼びます。「最近」は「さ・い・き・ん」というように4音で発音されるため、4音(4モーラ)として扱う言葉。撥音はそれだけで1音として扱うのが一般的です。


散らかった

「っ」のことを日本語では促音(そくおん)と呼びます。例えば「散らかった」は、「ち・ら・か・っ・た」と5音で発音されるため、5音(5モーラ)として扱う言葉。促音はそれだけで1音として扱うことが一般的です。


ソファー

「ー」のことを日本語では長音(ちょうおん)と呼びます。例えば「ソファー」は「そ・ふぁ・あ」というように3音で発音されるため、扱いとしては3音(3モーラ)。長音はそれだけで1音として扱うのが一般的です。

川柳を発表してみよう

川柳を発表してみよう

ここまで川柳の知識や作り方から、文字の数え方、コツに至るまでを解説してきました。川柳をはじめとした文芸に限らず、あらゆる芸術に言えることですが、自身の作品を残せるようになったら人に見て欲しくなるものです。

また、今の時点では自身の作品に納得がいっておらず人に見せるのは躊躇するという場合にも、人に見せることで自身の課題が分かることが創作の分野ではよくあります。より良い作品を残すために川柳を発表してみましょう。

コンテストに入選するには

コンテストに入選するには

コンテストに入選するためには、ただ良い川柳を作るときとはまた違うノウハウが必要になってきます。

ここでは、川柳コンテストで入選することを目指すにあたって必要なノウハウを見ていきましょう。

ネタの被りに注意する

公募コンテストではほとんどの場合、あらかじめテーマが決められています。私たちはそのテーマに沿って川柳を作り、応募するのですが、当然似通ったネタで作品を詠む人が出てくるでしょう。

しかし他の項でも取り上げたように、川柳にはオリジナリティが大切。誰でも思い付く作品は評価されにくいものなので気を付けましょう。

また、使いやすい言葉もNG。使いやすい=みんなが使う、ということなのでオリジナリティを出しづらくなってしまいます。何万という川柳が応募されてくるコンテストでもチェックするのは人。意図したところが違っていても同じ言葉を使ってしまえば同じくくりにされてしまうかもしれません。同じネタでも工夫していくことで、他の川柳とは違った特別な印象を与えられるでしょう。


うわべの言葉遊びに興じない
うわべの言葉遊びに興じない

公募コンテストで選者を務める人はまず間違いなく川柳という文芸に精通しています。川柳の歴史についても人並み以上に詳しいでしょうし、伝統的な川柳の三要素についても知らないということはまずないでしょう。

そういう意味では「おかしみ」とは反するうわべの言葉遊びに川柳の魅力を感じにくいと言えます。洒落を考えるのは程々にして川柳やそのコンテストのテーマと真摯に向き合ったほうが、入選には近道と言えそうです。


5・7・5のリズムを守る

意外と軽視しやすい5・7・5のリズム。5・8・5であったり、5・7・6であったり、1字増えてしまうようなことがよくあります。

Aの話にもつながりますが、選者を務める人は人並み以上にこの5・7・5のリズムの美しさを知っているもの。特に真ん中の7音を8音にしてしまうことは「中八(なかはち)」と呼ばれるご法度です。

中には少し工夫をすれば避けられるものも多く、1音にまで工夫できることが入選には必要なのかもしれません。読み下しの心地良さにも気を遣っていきましょう。


タイムリーな話題を扱う
タイムリーな話題を扱う

歴史的に見ても風刺とは切っても切れない関係がある川柳。風刺には、世間によく知られているテーマを扱ってこそという側面があります。そういう意味でタイムリーな話題は風刺の格好の標的。そのときの流行や世相を風刺することはタイムリーであるそのときにしかできません。

タイムリーな話題をネタとして扱うことはそのときにしかできない時間的なオリジナリティとも言えるでしょう。タイムリーとは言っても@のようにネタが被ってしまっては本末転倒なので、自分にしか詠めない切り口で風刺することも入選には必要です。

日本独特の文化、川柳の魅力

日本独特の文化である川柳。そのリズムや本懐を大切にし、美しさや面白さを未来にも残すようにしたいものです。

日本の素晴らしい文化である川柳が100年後、1,000年後、さらにその先まで残っていくためには、川柳の醍醐味に気付いている人ひとりひとりの意識が大切なのかもしれません。川柳を知り、川柳を詠むことを通して、川柳の魅力を感じて頂ければ幸いです。

川柳に関する知識をたっぷり学べる、ホームメイトの「川柳入門講座」。川柳の歴史や起源、俳句との違い、さらには「良い川柳の作り方」まで、幅広くお伝え致します。川柳が生まれたのは、江戸時代中期。そこから現代に至るまで、長く日本人に親しまれ続けている川柳ですが、いざ自分で川柳を詠んでみようとするとなかなか難しいですよね。
でも「川柳の言葉選びのコツ」や「川柳に欠かせない要素」を覚えれば、誰でも素敵な川柳が詠めるかもしれないんです!川柳仲間と作品を見せ合ったり、川柳コンテストに応募したりと、川柳の楽しみ方は色々。この川柳入門講座で川柳の魅力や奥深さを学び、ぜひあなただけのオリジナル川柳を詠んでみて下さいね。